【For The King】レビュー 運ゲー要素が強めのボードゲーム

Steam で2000円ほどで買えるインディーズゲーム「For The King」をひとまずクリアしたのでレビューする。クリアしたのは1つ目のストーリーの難易度が一番低いモードのみ。それでも24時間もプレイしていた。買う前にどんなゲームなのか知って、合うかどうかを判断してほしい。

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For The King はどんなゲームなのか?

基本は、何をするにもサイコロの目で成否を決めるボードゲームである。そして、RPG要素とローグライク要素がプラスされている。

敵を倒してレベルアップ、装備を整えてパラメーターを伸ばしたりするRPG要素がある。進行度によって出てくるアイテムはだいたい制限はあるけれど、どこで何が買えるかとかどんなアイテムがドロップするかはランダムである。このあたりがローグライクの部分だ。

世界は一枚の大きめのエリアで、その中に草原、火山、海洋、沼といった地域が収まっている。プレイする度に、城やダンジョンの配置、地形が変わるランダム生成マップだ。

限りある金やアイテムをやりくりしながら、どのように進めていこうかと思考するのが楽しく、じっくりと腰を落ち着けて取り組むゲームという印象だ。

ゲームの流れ

操作できる主人公たちは3人。それぞれ見た目と特性の異なる職業をカスタマイズできる。この主人公は別々に動かせて、ソロプレイなら3人全員を操作し、マルチプレイなら一人ずつ担当する。

敵はマップを移動しないため、戦闘するにはこちらからぶつかっていけばいい。ぶつかった敵の周りにいる敵と味方を巻き込んでパーティ戦闘となるシステムだ。戦闘に参加できるのは最大で3対3。できるだけ少数の敵とフルパーティで戦えば消耗を避けることができる。そのため基本的には味方と付かず離れず行動していくことになる。

ターンベース戦闘になっており、攻撃の成否はサイコロの目によって決まる。使用回数に制限はあるが、フォーカスを消費するとサイコロの目の確率をあげることができる。フォーカスをどこで使うかを考えるのも楽しみのひとつだ。

ターン毎に世界の腐敗が進んでいくため、1つのところに留まって金を稼いだりレベルをあげたくても、時間が立つごとに状況が悪くなり不利になってしまう。体力を回復する方法も限定されており、ベストな状態に保つのがなかなか難しい。

面白くなるのに時間がかかるスルメゲー

このゲームは一回目のプレイでクリアするのは難しい。というのも、ゲームプレイ中に手に入るアイテムで、武器や職業の種類、有利に働くマス目の種類を増やしていくシステムになっているからだ。初プレイは、資金が底をつき、回復薬が不足してジリ貧の展開になると思う。「ああすればよかった!」といった思いが次回の糧となるスルメゲーなのだ。

スルメゲーとは書いたけれど、かなり人を選ぶゲームだと感じている。というのも一回のプレイ時間が長すぎるのだ。実は初プレイで10時間くらいかかってかなり終盤まで進めることができた。全滅したのは敵の攻撃への対策ができていなかったため。これが次回のプレイに生かされるとはいえ、また最初からはちょっときつい。

ランダムマップで配置が変わるとはいっても、ストーリーは同じなのでまた最初からやり直し。一度プレイした経験が生きて、初回よりも上手く進めれるようになるという点に面白みを感じれるかどうかが、合う合わないを決めるだろう。

ダンジョン攻略には事前準備が肝心

ダンジョンでは3対3のフルパーティ戦となる。一本道のダンジョンを移動する連戦となり、全ての敵を倒すまで外に出ることはできない。どんな敵が部屋の先で待っているかわからないため、対策も取りづらい。

すんなりとクリアできるかはダンジョンに入る前の準備が大切だ。中に入るまでに必要なアイテムを揃え、レベルを適正に上げ、できるだけ装備も強化する。

戦闘は詰将棋のような楽しさがある。敵のHPや防御力、どんな攻撃が効かないかは最初から見えている。行動順は敵味方含めたタイムラインで確認できる。敵がどのような攻撃をしてくるかは実際に食らってみないと分からないのだが、慣れれば持っている武器のエフェクトから察することができる。

これらの情報を元に、全体攻撃を仕掛けてくる敵から倒そうとか、外しては駄目なポイントでフォーカスを使い必中にするとか、スタンなどのスキルで攻撃順序を入れ替えて一気に叩くなど戦略を練ることができる。こういった戦法が上手くいったとき最高に楽しい。

英語が読めなくても問題なし

For The King には日本語がない、全てが英語だ。ストーリーや施設の説明などをちゃんと理解しようと思ったら英語力は必要。

ただし、読めなからといってゲームに詰まることはない。ストーリーの細かなやり取りが分からなくても、どこに行けばいいかだけの指示に従えばいいし、目的地にマーカーも付く。そして、このゲームにストーリーを期待しては買うような人はいないだろう。実際、真面目に読んでも面白くもないから読まなくていい。

まとめ

誰にでもお勧めできるゲームではない。たとえ万全に用意をしていても、サイコロ運次第で攻撃は外すし致命的なダメージを受けたりする。運ゲーなのである。

資金とアイテムを管理するわずらわしさがあり、爽快さを感じることがあまりない。ターン毎に迫ってくる危機に対処する苦しい冒険のなか、たまたまボロっと落ちた強めの武器に喜んだり、相当可能性が低かったにもかかわらず神サイコロを引いて難を逃れたとき、そういうのに喜びを感じれるならお勧めできる。

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