Steam で 21日に発売した「Pixel Privateers」をラスボスを倒すところまで進めて一段落したのでレビューする。ドットテイスト、2Dゲーム、Re-Logicが関わっていると好き過ぎる要素がありすぎてポチるのに迷いはなかった。英語が読めるならお勧めだ。
このページの目次
戦略RPGをベースとした分隊ゲームってなに?
このゲームのジャンルは、Squad Based Tactical RPG というもの。日本語にすれば「戦略RPGをベースとした分隊ゲーム」になるんだろうか。あまり聞き慣れないジャンルに、どんなものなのかサッパリ分からなかった。
しばらくプレイしていて分かったのは、戦闘システムがボルダーズゲートで、装備のシステム周りはディアブロだということ。
戦闘システムは、8人までの戦闘員で構成したチームに指示を出しながらリアルタイムで敵と戦う。そして装備のシステム周りっていうのは、敵を倒したらお宝がザックザク山のように手に入り、それぞれの装備には、いろいろな効果がランダムでついている。といったものだ。いいアイテムがドロップしたら茶柱も立つよ。詳しくは後述。
ゲームの主な流れ
ゲームは、まず宇宙船で宇宙を移動するところから始まる。マップはマス目になっていて、クリックすることで燃料を消費して移動できる。近くの惑星からの救難信号を受取り、惑星に降り立つ。そこで敵を倒しながら、クエストをクリアしていく。
クエストをクリアするとクリア報酬として「装備」「マター」「燃料」のどれかがもらえる。そして、宇宙船に帰還して次の惑星を目指して移動する。ということをを繰り返していく。
お金、マター、燃料のほかにもサイエンスポイントという資源もある。これらを無くならないようにしながら進めていく。ゲームに少し馴れてきたころに、ストーリーへの導入であるキャラクターが宇宙船にやってくる。ここからは宇宙に散らばるエッセンスを求めて旅をすることになるのだ。
戦闘システム
分隊の構成は8人まで、職業は全部で5つある。盾を持ち敵の攻撃を受ける前衛職ヴァンガード、姿を隠して戦うスカウト、回復職のメディックといったメンバーを自由に選べる。バランスよく編成してもいいし、全部メディックなんてのもオッケー。
最初は3人くらいで始まって、隊員はマーケットで雇ったり、今いるメンバーをクローン技術で複製したりで、徐々に増やしていける。クリアするには5人でも余裕だった。8人を扱うようになるのは、高い難易度で挑戦したときになるのかな。
戦闘はリアルタイムで進む。敵をクリックすれば、その敵を攻撃してくれる半自動戦闘だ。隊員全員で一人の敵をタコ殴りにするように指示をだしたり、盾職が敵を引きつけている間にスカウトが遠方の敵を始末するといった隊員それぞれに個別の指示もだせる。
最序盤は、戦闘のテンポもかなりゆっくり目で、地味に感じるかもしれない。進めるごとに戦闘のテンポは早くなっていく。スピードに付いていけなくなっても大丈夫、スペースを押せば時間を止めることができ、時間を止めている間に指示を出せる。
相手が雑魚ならばポーズなど必要ないくらいサクサクいけるけど、ボス相手ではポーズを多用してスキルを使ったり、範囲攻撃をくらわないように立ち位置を調整しないと厳しい。
さて、スチームのレビュー等でも賛否両論となっているのが、「敵をクリックしないと攻撃してくれない」という点。クリックした敵を倒してしまうと、次のターゲットを指示しないかぎり棒立ちになり動いてくれないのだ。
だから、「自動攻撃するようにしてくれ」という要望があるようだ。開発が言うには「自動戦闘がないゲームデザインとして開発をしたため、今後も改良される予定はない」と回答していた。
RPG要素
敵を倒したりクエストを達成するとレベルアップする。5つのパラメーターにポイントを割り振って強化していくタイプのRPGだ。レベルがあがれば新しくスキルを覚えていく。
職業によって使えるスキルが違う。職業は固定ではなく装備を入れ替えることで簡単にジョブチェンジできる。といっても、パラメーターを再度割り振ることは基本的にはできないため、前衛で育てていたキャラクターを回復職にするとかは難しい。
あとは、サイエンスポイントでの能力強化もできる。敵を倒したときにエイリアンの体組織とかアーティファクトが手に入るときがある。これを宇宙船に持ち帰り研究することでサイエンスポイントが増えていく。
これを消費することで職業ごとのテクノロジーツリーを進めていける。パラメーターアップとか、攻撃に新しい特殊効果がのるなど、やりこめば全て取得できるだろう、すごく大変だとは思うけれど。
ちなみに自分はクリアまでに、7階層あるツリーのうち、4階層くらいまでの解放でいけた。高難易度であれば、かなり考えて取ることになるのだろうか。
グラフィックがかわいい
ドットテイストのゲームは大好物。ピクセルアートというだけでプレイしてみたくなる。隊員も色んなデザインがあって見ているだけで楽しいけど、実は頭の装備を付けてしまうと顔が見えなくなってしまうという。装備を外してみて「お前は女だったのか」と気がつくことも。
宇宙船をカスタマイズしよう
マーケットで宇宙船を買い替えると、操縦席やエンジンルーム、酒を飲むバーといった場所の他は、カスタマイズできるようになる。隊員の上限を増やす兵舎を置いたり、アイテム所持数上限を増やす倉庫などを付けてみよう。
宇宙船で移動しているときに、宇宙人に攻め込まれることがあって、そういう時のために防衛装置のタレットを設置しておける。襲撃では、宇宙船の中をひと部屋ずつ移動して、全ての侵入者を倒さないといけない。だから、船が大きくなりすぎると回らないといけない場所が増えて少し面倒くさくなる。
各部屋を回って敵を倒すだけなので、何度も襲撃されるとただの作業になってしまう。もう一捻り欲しかったところ。例えば、タワーディフェンスのように、敵が宇宙船の中を移動してきて、各部屋に置いておくタレットがもっと重要になったり、電撃でスタンさせて動けないようにしたりとかできれば良かったのだが。
英語が苦手だったらお勧めできない
2017/03/05 有志の日本語化プロジェクトが進行中。微力ながら協力している。ゲームから英文を抜き出せていない文章があり完成まで時間はかかりそうだ。
このゲームに興味を持ったとしても、英語が読めないと辛いだろう。ストーリーとかは別に大したものではないので読み飛ばしてもいい。ただ、先に言ったようにシステム回りが理解できないことには面白いとは思えないだろう。
とりあえずは、購入してみてチュートリアルをやってみてはどうだろうか?じっくり説明を読んでやったとしても1時間もあれば終わる。ここで全く意味が分からなかった、または英語を読む気も失せたというのであれば、先に進むのは全くお勧めできない。
画面がウインドウ化できるので、グーグル翻訳を使いながらもできなくはない。
開発者いわく、この先も無料のアップデートをどんどんしていくよとのこと。つまり、もっと装備品とかスキルが追加される可能性が大いにある。有志日本語版が出たとしても対応しきれるだろうか。すぐにアップデートされて、また日本語を追加しないとならないといった事態になってしまいそうだ。
それとプレイした人は皆思うだろうけど「文字が小さすぎる」。ゲームで初めてモニターに顔を近づけて読んでしまったほどに。早急にアップデートで文字を大きくしてほしいところだ。
Pixel Privateers 総評
戦闘システムが分かれば、戦略的に戦えるようになり面白くなってくる。
ただし、そこまで知るには、スキルや装備効果の説明を「英語」で読んで理解しないといけない。かなりハードルが高いゲームと言えるだろう。これさえ乗り越えてしまえば、何度もプレイしたくなるほどの中毒性がある。
クリアするまでは15時間ほどかかった。エンディングの後にすぐ2週目が始まる。ストーリーの大筋は同じだけど、見たことのないイベントがあったり、敵がわんさか増えて、見たことのない宇宙人がでてくる。全体的に難易度が増して、戦闘も派手になっていく。2週目のほうがもっと楽しめている。
値段も1500円程度とかなり安く、お値段以上に楽しめるゲームだ。
しかもこのゲームは、テラリアで有名な Re-Logic が関わっていて、この先もアップデートを無料でおこなっていく宣言している。テラリアの無料アップデートは何年も続き、次々と新規要素が追加されていった。それが Pixel Privateers でも期待できるかもしれない。
唯一不安なのは、テラリアでは開発だった Re-Logic が、今回は宣伝や調整担当のパブリッシャーであること。全く開発には手を出せないのか、それともテラリアのノウハウを共有しゲームをよりよいものに変えていけるのか、それはまだ分からない。
ジャンル:アクションRPG、シミュレーション、インディー
開発:Quadro Delta
価格:1,480円
クリア時間:15時間(1週クリア) NG+や装備強化を始めたら30時間以上